ピットの受け入れについて

私はピットという犬種を知らないでコニーを引き受けた。

かなり無謀だったと思うし、今なら躊躇したかもしれないと思う。

闘犬だからという理由ではなく

賢いから。

空気を読むから。

環境の影響だと言えばそうかもしれない。

私が子供の頃犬と暮らした記憶といえば

外に犬小屋を作り、そこで犬は犬として暮らしていた。

私がというより、どういう家が多かった。

小型犬、マルチーズがその頃流行っていたのだが

そういう子たちは室内飼いが当たり前でもあった。

今でいうセレブ扱いだった。

私は1年ほど前にコニーを連れて実家へ戻って来てのだけれど

78歳の母も、

「犬を家の中で飼う」のは初めてだと言って

最初は少し戸惑っていた。

私は、猫が大きくなったと思えば?

と軽く言ったけれど(笑)

実際はそんなもんじゃない。

特にピットの場合は。

私の実家は築35年ほどで、かなりあちこちガタがきている(笑)

昔の家だけに、部屋と部屋の境目はガラス戸で仕切られていたり。

そのガラス戸も、私たちが来てからまもなくひびが入った。

コニーが喜んで家の中をかけずり回り、ガラス戸に激突したのが理由。

母はそのたびに、パニックになる(笑)

ただ体が大きいというだけでなく、パワーがすごい。

コニーはまだ私の声が届くので、

「すとぉぉっぷ!」

といえば止まる。

届かない子だとしたら今頃家は。。。。


愛情があればと思われるかもしれないけれど

そんな簡単なものではないことを後から知った。

いろいろな人の意見を聞きながら

経験者の意見も聞きながら。

この人から学べる事がたくさんあるだろうと

犬を愛する人なら一度は聞いたことのある名前

シーザーミラン

彼の動画も何度も見た。

日本語に翻訳してあるのも、英語のも。

英語なんてわからないから、とにかく必死で見た。

それでもまだ時々てこずる時がある。

完全じゃない。

最近、ピットの里親募集が増えている。

ピットはどちらかというと特殊な犬種で、マニアック。

だからこそ、ひそかに人気がある。

特に女性、しかもシーザーが好きな人は

シーザーがこよなく愛している犬種ということで

ただそれだけで欲しいという人もたくさんいる。

でも、簡単には暮らせないのがピット。

特にパピーのうちから、きちんとトレーニングをしてほしい。

トレーニングのできる人なら、受け入れてもいいと思う。

私は知らなくて、毎日途方に暮れて泣いていた(笑)

どうしていいのかわからなくて。

訓練士さんに聞いても、

「すわれ」

「ふせ」

「まて」

の繰り返しですね。

といわれるだけで、それがどういう意味なのかもわからないし

わからないままにコマンド入れても言うことすら聞かないし・・・。

受け入れたいと思うならなおさら飼い主さんとなる人も

なぜこの犬にそこまで訓練が必要かを

きちんと学んでほしい。

そうしないと

手に負えなくて出戻ったり、たらいまわしになったりと

この素晴らしい素材を持ち合わせた子たちが

不幸になってしまう。

殺処分ゼロは私は達成できないと思っている。

ピットを始め特殊犬種と呼ばれ、人間と暮らすルールも教えられないまま

咬傷事件を起こしてしまい、人間を死にいたらしめてしまった子たち

その子たちは誰もが手に負えなくて処分されてしまうから。

それも含めて殺処分ゼロというなら、ゼロにはならないと思うから。

厳しいトレーニングを積み重ねるのではなく

人と共存するためのルールを教える必要がある。と言いたい。

そして覚えていてほしい事が一つある。

いまだにコニーは、分離不安になることが時々ある。

家族として暮らしていたブリーダーさんから

新しい飼い主の家に連れていかれ

家族と認められないまま訓練所へ預けられた経緯があるコニー。

私の家に来てからは、私も仕事で家を空けることが多く

お留守番の時間が長かった。

私が仕事着に着替える日は、私が出掛けようとすれば自分からクレートに入るけれど

休みの日は、とにかく一緒にいたいというそぶりで私から片時も目を離さないし

出かけようとすれば、とにかくついてこようとする。

私がひいき目に見ているわけじゃないけれど

私たちの会話はすべて理解しているような気がしてならない。

あの日

「コニーだけど、一人で大変だろうから里親さがしてもらおうと思う。

 もっとお金持ちで、大きな家に住んでいる人でね。」

「いや、私はどんなことがあってもコニーは離さない。

 私自身が食べることがままならなくても、コニーにひもじい思いもさせないことを約束するし

 病気になったら何がなんでも病院へは連れていくから」

と私と前の飼い主が話していた会話も、ちゃんと理解していたと思う。

クレートの中から私の顔をじっと見ていたのも私は見逃さなかった。

犬だからわからないだろう。なんて思ったら大間違いで

ちゃんと聞いているし、理解しているし、そして覚えている。

だから、ピットの里親になろうと受け入れてもらえるなら

お互いが幸せになるためにも、人間と家族として暮らすためのルールは

必ず教えてもらう覚悟をしてほしい。

でなければ、傷だらけになって、家の中が壊れて泣きながら格闘した

私のように遠回りしなくて済むと思うから。

壊れたもの、傷の治療費などと比べたら、トレーニングの費用の方が

格段に安いと思うから(笑)

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Magical Dog

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